タイトルはキリがいいので10ステップだけど12ありますw
MVをつくったことないけど作りたいという方の参考に!
週末はロケハンのため新幹線に乗っていました。
ちょっとした旅気分です。ディレクターの主馬(しゅま)です。
電車に乗って風景を見ているとふとアイデアが浮かんだり、過去の記憶がよみがえったりしますよね。
フッ!
「パスは3回までだよ!」
昔大富豪をした時に言われた言葉が急によみがえりました。
そろそろブログを書こう…
重い腰を上げる。でも最初に言い訳をしたい、そもそも順番が良くない。
代表シュンタロウ「ファッション写真って何? -日本ファッション写真の歴史」の後にくだらないブログをあげられない…
立派な論文みたいなブログの後に「今日は家族と海に行きました。楽しかった。」レベルの文章しか書けない僕が…
人生はいつだって不条理だ。
また窓の外を眺める。
「やっぱり今回もパスしよう。パスは4回まで大丈夫だった気がする。」
そう思い開いていたパソコンを閉じかけた…
ふっっ!
MVつくりたい。
そういえば先日いろいろな人の手を借り、足を借りこんなMVを撮りました。
大変でしたがいろいろな気づきもあり、、
僕が初めてMVをディレクションした時に感じたことをシェアすれば
誰かのためにはなるはず!
ということで 始まります!
初めてMVをつくるための10ぐらいのステップ
【1】楽曲と巡り合う
まずは曲、それがないと話になりません。
友達でもいいし路上で歌ってる人に声かけてもいいし
ライブハウスに探しに行ってもいいしとにかくミュージシャンの知り合いをつくっちゃいましょー
今回もたまたま映像関係のイベントであった映画音楽をやってる友達の知り合いでした
やっぱり仕事ばかりしないで外に出ることも大事です
【2】アイデアを練る
いいミュージシャン/楽曲が見つかったら、それをどんな映像で表現したいかアイデアを練りましょー
CMなどの広告とは違い制約もないのでまずは実現可能・不可能考えず
メロディのイメージから、歌詞のイメージから、はたまた全く関係ない独創的なアイデアなど自由に考えてみよー!
アイデアやイメージを探すときに結構便利なサイト
Pinterest
とにかく膨大なリファレンスが集約されているので
ここ見とけば何かしらあるでしょう
Vimeo
世界中のレベルの高い映像が投稿されているのでアイデアが生まれるかも
Filmgrab
いろんな映画の画像がまとまっています
ライティングやグレーディングのリファレンスにしやすい
BAUS
いろんな作品のクレジットが集約されています
スタッフから辿っていくと見たことないアイデアに出会えるかも?
僕はMVは歌詞を大事にしたいタイプ。言葉ってすごいんです。
だからあんまり曲から逸脱したイメージを作ることはないですね。
今回の「GO STUPID!!」にはこんな歌詞がありました。
WHO SAID
夢見ちゃいけないの WHY
たった一度の失敗で
うんオーディションみたいなシチュエーションがいいなと思いました。
アーティストのRidy Hudson曰く歌詞の根底には怒りみたいなものが込められてたんです。
ただそれをもっとハッピーな、前向きな感じにしたいなーと思い、考えてあのMVになりました。
基本ネガティブな僕は映像の中だけではポジティブになりたいという思いがあるので
そういうテーマになることが多いですw
【3】企画書(字コンテ)/画コンテをつくる
企画書とかはなくてもいいんだけど
場所を借りたいときとか、キャストをアサインしたいときとか
何を撮るのかということは結局説明しなきゃなのでつくっておくと結構楽です。
またアイデアやリファレンス、ロケーションなど集めた情報を僕はKibelaというサイトにまとめてました。
最近はDropbox Paperにまとめていますが情報を共有するのにすごく便利!
Dropbox Paperでスケジュールを可視化 チャプターも付けれるのでわかりやすい
その企画でOKになったら画コンテをつくってみよー
これも1人とか少人数の気の知れた人でやるときは必要ないっちゃないんだけど
意外に画に書いてみるとつまったり、画のつながりが悪いことに気づいたり
あいまいなところが出てきます。そういうところは撮影当日も迷うところなので
ここで不安要素はできるだけつぶしておくとかなりいいです
そしてもちろん大人数でやるときは必ず必要になってきます
監督の頭の中でイメージはできていても、ほかの人に伝えるのは意外と難しいのです
画は相当時間かかりましたが、この時はこんな感じでつくりました。
大事なのは動き、シチュエーション、画角が分かればいいのです。
画はうまいことにこしたことはないですが、、下手でも、、
関節が多かろうが、おかしいところから手が生えていようが人だとわかればとりあえずいいのです。。
カメラマンや小道具さんがいればこれを見ながらここでは何mmのレンズで撮ろう
このシーンにはこんな小物とか小道具がいるねとか相談しやすので!
【4】キャスト/スタッフを決める
モデル事務所や芸能事務所とかいろいろあります、
予算がない時でも意外に頼める人も所属していたりするので問い合わせてみよう!
あとはこういうサイトを活用してみるのもいいです。
キャストもスタッフも探すことができます。
シネマプランナーズ
プロ・アマ問わず、一歩上をゆく映画制作・製作を目指す人たちのための、映画制作・製作支援サイトです。
役者(キャスト)・出演者、スタッフ・メンバー募集やオーディション情報、作品募集・公募やコンペティション情報、映画祭や上映会などのイベント、ワークショップの告知など自由に投稿できます
ちなみに僕はあんまり探さないです。知り合いとかこの人だ!って出会った人に頼むことが多いですね
GO STUPID!!ではダンサーがとにかく必要だったのでそのため(だけではないけど)
半年前ぐらいからダンススクールに通ってましたw
ダンサー、俳優、スタッフ必要な時は連絡ください!紹介します!
【5】ロケーションを決める
これもこの場所だっていうのがなければあまりこだわりはないんですが、、
都内はとにかくお金がかかる!人数が少ないなら地方に行ったほうが人も協力的だし遥かに安くすむかもしれません。
基本的に撮りたい場所があればそれを管轄している施設や団体に直接問い合わせでいいと思います。
公園なんかは区が管理してたり、道路は警察署に問い合わせたり、、本当に大変ですよね。
まとめサイトもたくさんあるので調べてみよー
全国ロケーションデータベース
全国各地のフィルムコミッションのロケーションがまとまってます
良さそうなエリアのフィルムコミッションに直接問い合わせてみるといいかも
スペースマーケット
ホストになれば場所を貸すこともできる
家とかオフィス系なら結構あるかも
【6】衣装を決める
服はいちばん分からないw 個人的にはスタイリストさんが一番必要かも
今回のこの衣装は下北沢や高円寺の古着屋さんを回ってゲットしました
お店によっては撮影のために貸し出しというか相談できるところもあるので聞いて見るといいよ!
【7】小道具を決める
必須なものもあるけど小道具は映像に深みを与えていく、いわば+αの工程かな
キャラクターの性格とか、話のバックグラウンドとか表現をするのに効果大!
引き画になると結構プロップがあるかないかで画の厚みが変わってきます。
【8】機材を決める
画コンテを決めて、撮影場所をみたら機材を決めよう!
「機材は何を基準に選ぶのか?いい機材教えてください!」
これ結構映像を始めた当初とか人に聞いて、「何を撮りたいかによるよ」と呆れた顔で返答された気がしますw
まぁ実際そうで、各社色の出方や感度の違いなど個性があったり、使えるレンズが違ったり
これはもう目指してる映像がなんのカメラ使ってて、どうやって照明当ててるかとか調べましょう!
shot on what?
ほぼ映画なんで使用しているカメラの値段とか桁が違うかもですがこんなサイトもあります
あとは買う/借りる問題ですよねー 大都市圏なのか地方なのかでどちらが得なのかも変わってきますが、、
東京にいる前は地方で映像制作をしてましたけどやっぱり地方では最新の機材とか置いてないんですよねー
郵送してもらうのも面倒臭いので買うことが多かったですけど、東京はすぐ機材Pickできるので
カメラ本体、絶対使うレンズは購入、照明や特機などはレンタルがいいかなーって思ってます。
東京カメラ機材レンタル
ここは結構安いし、登録も必要ない
都内23区内ならレンタル料6000円以上で配送無料になるのも楽
ただ時間指定ができないので予定満載の人は店舗まで取りに行ったほうがいい
東洋レンタル
種類も豊富でウェブサイトも見やすくていい
登録をしないといけないのがちょっと面倒なのと配送はしていないのがちょっとネック
このサイトと実際の店舗のギャップがすごかった印象w
僕はとにかくフィルム調が好きでRAW動画に挑戦してみたかったので
撮影当時に発売されたBlackmagic Pocket Cinema Camera4Kを
絶対使おうってことで、9月ぐらいに購入したんだけど届かず、、、結局レンタル、、
【9】香盤を作る
場所/人など決まったら撮影前に香盤表(こうばんひょう)をつくります。
これは当日のスケジュールです。コンテの通りに撮れないことが大半なので撮影順に画を組み替えたりします。
正直ずっとひとりでやってた僕は初めてこの言葉を知りました。
でも僕のプライドが知らないと言えなかったので、あーこうばんね!
便利だよねーあれあるとみんなハッピーだし 疲れるとほしくなるよねーとかごまかしながらやってましたw
【10】撮影をする
全部決まって、香盤表もできた!あとはその通りに撮影すればOK!
だけど撮影当日にしたほうが良かったことというのもいくつかありました
最初に自己紹介の時間をつくる
個人個人ではもちろんやるとは思うんですけど、全体でやると一体感が違いますw
キャストさんがあの人は何をしてる人かも分かるし、あいさつ出来ない人も出てきちゃうので時間がなくてもやろうと思った。
まいてると言わない
不思議なものでこれを言った途端に時間がおしますw
ちゃんとタイムキーパーをしてくれる人を用意しましょう。
サポートしあおう
ディレクターとしていちばんありがたかったのが
画を決めたりしてるときに待っているキャストをケアしてくれる存在でした。
僕はもともと演者だったので待ち時間があることは知ってますし、当然だと思っています。
でもそういうのを当然だからしょうがないとかで片づけるのはめちゃ嫌で
何もわからず待たされることは別に気持ちのいいことではないし、、
そんな時に飲み物をすすめたり、話し相手になってくれるスタッフがいると非常に気が楽でした。
インサートをとろう
コンテ通りに撮るのはもちろんですが、それだけでは足りないときもある。
編集で応用が利くようにインサートカットは撮れるだけ撮るべきだと思いました。
【11】編集をする
編集は第2のディレクションです。コンテという設計図をもとに撮影した素材を組み立てていきます。
が、しかし!ただ並べるだけでいいものは出来ない!!
その映像の初めての視聴者としてどう感じるか、どう感じさせたいかを考えてカットを組み替えたり
タイミングを調整したりしてより良い作品を作っていきます。
編集ソフトはAdobeかDavinci Resolveを使ってます。 Davinci Resolveは無償版もあるので初めてならすごくいい!てか無料って驚き!
技術的なことも色々ありますが僕から言えるのはこれだけ。
心を鬼にしよう
僕はディレクターであり/エディターです。一貫してやる良さもありますが、悪いこともあります。
その一つが撮影が大変だったしそんなに良くないけど使いたい。というカットへの思い入れ。
そんな思いは即捨てましょうw
コンテはベストではない
まずはコンテの通りにカットを並べます。
でも本当にそれがベストなのか考えましょう。
きっともっといい見せ方もあるはず!
あと確認のやりとりはFrame.ioというサイトを使ってます。
映像をアップロードして、そのリンクを送れば相手も直接映像にコメントを書き込みできる優れもの!
Adobe Premiere Pro、Final Cut、あとDavinci Resolveも16から対応してて書き込んだコメントが
タイムラインに反映されるのでいちいちフィードバックをブラウザで見てとかしなくていいのは便利!
【12】公開する
見てもらうのはいちばん難しい。
Youtube/Facebook/Twitter/Instagramあらゆるメディアを駆使して人に見てもらおう!
ここはいまだ成功したことないので逆に教えてくださいw
とりあえずこんなところですかねー。
こうやって僕はMVをつくってみました。
分からないことがあれば聞いてください みんなで助け合っていいもの作っていきましょう!
そして仕事くださいw
ではでは
Shuma主馬 ディレクター/エディター
ダンスや音楽などを使った動画が得意
最近はアクション/ミュージカルを撮りたい