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マネタイズって大事だけど難しいよね、って話。(前編)

shuntaro

みんな自己紹介から始めてますが、僕の自己紹介は色んなところに出したり話したりしているので、いきなり違う話題からいこうと思います!

つい先日、お誘いいただいてNext Filmmaker’s Summitというイベントに参加し、
映像制作者のマネタイズについて考える機会があったので、これについてもう少し自分の考えを整理する意味も込めて、書いて行きたいと思います!

(イベント詳細はこちら↓ 毎年行なっているようなので、来年是非応募してみてください!)
http://www.nextfilmmakers-summit.com/

 

さて、写真と映像という両輪を軸にしているbirdですが、
そのマネタイズってどうしているの?というのは、同じフォトグラファーや映像制作者なら気になりますよね。僕も、他の人のマネタイズ、めっちゃ気になります(笑)
そして、多くの同業者と、同じような話で盛り上がります(笑)

総務省の統計によると全国に写真・映像撮影者は6.5万人いる(実際は片足突っ込んでる人とか入れると、もっといると思いますが)ということですが、その内きちんとフリーランスでマネタイズを出来ている人って、結構少ないんじゃないかな、というのが10年この業界にいての実感です。
理由は様々ですが、参入障壁の圧倒的な低下に伴う賃金形態の崩壊はまず、誰もが挙げることかと思います。
こうした傾向は、既得権益だった人は苦い顔をして、新規参入組にとってはチャンスでもある(実際birdの誕生はそうした背景があったからだし)のですが、どちらにせよ、こうした戦国時代的な状況では単一の方法ではない、様々な形でのマネタイズが問題になってくるのは、別に写真・映像業界に関わらずあることだと思っています。

 

では、まずはマネタイズ前に現状の分析が必要だと思うので、1月に終わった決算の内容から、birdのマネタイズの傾向を分析してみたいと思います!
具体的な売り上げの数字はまあ、色々関係各所との問題もあるので出せませんが(笑)

birdの仕事は主に写真・映像・その他(プロップ、セミナー、ストックなど)に分けられます。
利益の割合でいうと、写真35%、映像55%、その他10%というところです。
前年までは正確ではないですが、写真50%、映像40%、その他10%くらいの感じだったので、
ここ1年で動画が大分マネタイズできた印象です。(後編でその理由について触れたいと思います)

また、全体の粗利率(粗利/売り上げ)は63%、労働分配率(人件費/粗利)は68%になります。
目標が65%、70%だったので、割と近いところに数字があるかな、という印象です。
ただ、昨年の中間の時点では、粗利率も労働分配率もかなり数字が悪かったので、そこから大分改善しました。
こうした傾向を追ってわかるのは、売り上げが多くても、スタジオ費用や外部のスタッフの人件費などの変動費が大きくかかる案件が多いと売り上げてるつもりでも出来てないことがあり、また、写真・映像業は人件費がほぼ全体の経費の7-8割を占めているということです。
スタッフが昨年度で2人増えたのと、事務所を移転した費用が経費の増加としては大きい部分でした。
ただ、一年で売り上げが前年度の1.5倍になったので、それを補えた感じです。

前年度の決算書を見ると、かなり経営的には(最終的には)安定した数字になっていて、
そうした上では、うちのマネタイズの方法は大きくは外れていないかな、と思います。
思えば、最初に僕が独立した25の頃は、恐らく1年で売り上げが300万いかなかったんじゃないかと思うので、
10年経って成長したな、と思いました(笑)

 

では、どうやって、bird立ち上げから昨年までにマネタイズしてきたか、効果のあったことなどを書いていきます!

まず、写真も映像も共通すること、つまりマネタイズの前提として、以下のことが挙げられます。

・やりたくないことを明確にして、どうしたらしなくて済むか考える。

「やりたいことを明確にする」はまあ、どんな本でも講演でも語られることかと思いますが、これって正直難しいですよね。
大抵、クリエイターのやりたいことって割と大きいことだったりするので(笑)、いきなりは難しいのです。
なので、最初は「やりたくないことをやらない方法」を考えるのがベストだと思います。
例えば、「バイトのような仕事はしない」とか、「こういう分野の仕事は苦手だからしたくない」とか、「こういう作業は苦手だからしたくない」といったことです。
その上で、本気でどうすればそれをしないで済むか考えるのがマネタイズの1歩目だと思います。
僕だったら映像はやりたいけど編集はしたくないとか、スナップは苦手とか、
実際に手を動かす制作は苦手とか、アシスタント毎回探すの面倒とか、といったことをクリアするために、
真剣にマネタイズを目指しました。
お金がなくても出来る方法はあるし、お金を少しかけるだけで最初は出来る方法もあります。
そうすることで、結局、好きなことや得意なことに集中できるし、頭を使って考えるようになるので、
最終的にはマネタイズの基礎となると思います。

・見晴らしの良いところに行く、いる

これは結構大事で、自分のしたいことが明確な人にとってはまず、これをすべきだと思います。
例えば、自分がファッション・フォトグラファーになりたかったら、その道の大御所のアシスタントに付くことが大切なのです。
それは、その人の技術を学べるということ以上に、その人がその業界のコアになる人々と付き合っているからその業界全体が見える、ということが非常に大切だからです。
これは学校の勉強で考えると分かりやすくて、東大に入りたいなら、東大入学者数が多いところの方が、勉強方法も志望校が同じ同級生も先輩も多いので、圧倒的に有利ですよね。
誰一人東大にいったことが無い人が完全に独学で行くのは結構しんどいと思うので(それでも圧倒的な努力とか才能で行く人はいるけど)、それなら予備校でもいいので、そういう見通しが立つところに行くべきです。
見通しが立たないと人間てやる気も出ないので、本当にこれ、大事です。

ちなみに、僕自身もbirdも、そういう見晴らしの良いところから全くスタートしていないので、色々と苦労がありました(笑)
今でも、業界の常識とか分からないことがありますしね。
僕の場合、自分がそういう有利な状況からのスタートというのが嫌いなので(笑)、上記のやりたくないこととの兼ね合いでそうなってる部分もあるので、しょうがないのですが、やはりマネタイズを早くしたいなら、短期間でもいいので、全体像を把握して作戦を立てるべきだとは思います。

・お金について勉強する

これはベースとして大切なことなんですが、とにかくマネタイズが得意な人と苦手ない人を比べると、圧倒的にこうしたお金の知識の差があるな〜と思います。
例えば、経理的なことから始まり、どうしたらお金が手元に残るのか、どういうやり方をすると成功しやすいのか、といった情報をきちんと仕入れてないと、結局使えるリソースが不足しているので、マネタイズの対策の取りようがないと思います。
特に、違う業界で成功した方法などは応用が効きやすいので、積極的に情報を収集して、どうやったら活かせるか考えると良いと思います。
あと、地味にbirdを会社化してから思ったのは、数字で経営全体を捉えないと、結局自分の感覚ベースの話になってしまうので、丼勘定になって正確なことが分からないので、いつまでたっても不安だということ、そして、何よりスタッフや一緒に仕事をする人に、なぜこの金額で仕事を頼むのかを説明しやすくなりますし、見積もりを作る際も感覚ではなく、実効値としてこのくらい以下だと受けられないなどの判断が正確になるので、絶対にやった方が良いです。
クリエイターの人はこの辺得意じゃない人も多いので、それだけでも有利になりやすいし、どうしても苦手ない人は事務所などに任せるという方法もありますが、結局はどこかのタイミングで自分でする必要が出た時に困るし、何より人に騙される確率も上がるので(実際にそういうことも多々起こったりします)、やはり自分でやるなら自分で勉強すべきかな、と思います。
僕もまだまだ勉強中なので、一緒に勉強する人を募集中です!(笑)

*全体の数字を把握するには、この本がオススメです!
http://amzn.asia/jljdk1E 

・良い作品を作る

これは当たり前のことですよね(笑)でも、結構マネタイズに夢中になりすぎると、忘れがちだったりします。
結局儲けようとして仕事をしすぎると、仕事が儲けられるだけの仕事にならざるを得なく、人との関係もギクシャクしたりして、逆効果にもなります。
なので、テスト撮影、作品作り、そして安いけど面白そうな仕事はある一定の時間を確保して行った方が良いです。
結果、それがマネタイズにも良い影響を及ぼすし、やりたいことにも近づくキッカケになります。
あとは、こうした作品作りは、全ての前提となる写真や動画の「知識」や「スキル」の習得にもつながります。
同様に、写真や動画のインプットも時間を取って積極的に行うことをお勧めします。
これは、マネタイズの初期も必要ですが、それ以上に少しマネタイズに余裕が出てきた頃には大量にこなすと結果、その次のフェーズに行きやすいような印象があります。

・営業はしなくても良い

長いこと僕も「営業しなきゃ!」という思いに駆られていたのですが、最近になって「営業って、そもそもそんなにしてこなかったし、必要なのかな?」と思い出しました(笑)
もちろん、それが好きで得意な人は絶対やった方が良いと思うのですが、苦手な人は無理してしなくても良いと思います。
うちはクライアント別の売り上げリストがあるのですが、それを見るとほとんどが友人、知人、その紹介です。
自分たちの好きな人との繋がりがドンドン仕事になっていってますし、そうすることで、仕事の関係も良好で、現場も楽しく、結果的に全てが良い状態で回ります。
ただ、こうした状況の問題点は、自家中毒になりやすいところなので、積極的に友人や知人の輪を広げるのがベストで、そういった集いやパーティーなどをドンドン行うのも良いと思います。
あとは色々と紹介して、とこうした友人に言うのも手ですが、恐らくその前提として、「その人の活動を知っていて、良いと思っている、もしくは紹介する人と合うと思っている」ことがあると思うので、Facebookやインスタ、webサイトなどのツールを使って、常に情報を発信することは想像以上に効果があります。
そのためには、自分の売りを明確にしたツールや作品があると良いと思います。
birdだと、初期段階ではフォトグラファーの撮る綺麗な映像を売りにしていて、中盤はドローン、今は小さいチームとして完結して企画から提案して制作するスタイルを取っていて、そのスタイルに合わせた発信を行っています。

で、直接の知り合い以外のところからお声がけいただいた例として効果があったことも前編の最後として、書いておきます。
1つめは、展示会です。
ここ数年クリエイターズエキスポやコンテンツ東京といったイベントに出展してブースを構えています。こうした展示会、実は結構バカにできなくて(僕は最初、バカにしていましたw)、いろんな企業や代理店、大きな制作会社なども訪れるので、一気に営業できます。
しかも、相手から興味を持って接触してもらえるので、こちらが売りに行く営業よりも、ずっと成約率も良いし、関係が有利な状態からお仕事を進められるので、とてもやりやすいです。
この際に大切なのは、他のブースよりも目立つことです(笑)
とにかく自分たちの売りをパッと見で分かってもらえないと、足を止めてもらえないので、そこはこだわった方が良いです。

2つめは、セミナーです。
僕が昔やっていたライティングセミナーや林くんがやっている現像講座などには、多くの方がいらしてくださり、その参加者の方から多くのお仕事いただきました。
こうした写真や映像のセミナーは、玄人が来ることもあるのですが、基本的には愛好者の方が来てくれるので、彼らは一般企業に勤めており、そこのお仕事を頼んでくれたりします。
そもそも関係性も最初から良好ですし、何より担当者が写真や映像好きなら、仕事はめっちゃしやすいです(笑)
なので、こうした形も、教えるのが好きな方や会話が得意な方にはオススメです。

うちでやっているのは以上のことくらいなのですが、とにかく自分とフィーリングの合う人と仲良くして、その輪を広げるのがまず、近道だと思います。

 

さて、本当は写真・映像別の話なども具体例を交えつつ書こうと思ったのですが、前提だけでめっちゃ長い(笑)
長くなってしまったので、とりあえず、前編はこんなところで、また、続きを書こうと思います〜。

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