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変わらないために、変わる必要がある。 ── bird and insect、10周年の決断。

shuntaro

 

お久しぶりです、shuntaroです。今年はbird10周年ということで、いろいろな節目を迎えるのですが、その中でも特大の変化について、ついにお伝えすることができて、嬉しいです。

すでにリリースなどは出していますが、birdはM&Aを通じて、スピックバンスター株式会社のグループに加わりました! ようやく正式に発表できました。9周年時点では、頭の片隅にもなかったような未来が訪れており、過去の自分にM&Aするよって言ったら、鼻で笑われそうですがw、そんなことも起きてしまうのが、10周年という魔力なんでしょうか。。。

ということで、今日は、M&Aの経緯や、スピックさんはどんな会社で、なんでbirdはグループインしたのか、そして、その先の未来は、、みたいな話を書いてみたいと思います。

デザインやクリエイティブ系の会社のM&Aは、珍しくなくなってきていると思います。ただ、その多くは同業や近い業種同士だったり、大きな会社さんの傘下に入る形だったりと、事情はさまざまの模様。birdの場合は、ずっと右肩上がりで成長してきたので、業績の面でM&Aをする必要はありませんでした。一方のスピックさんは90年以上続く老舗企業で、メインの事業は印刷と不動産。birdとは近いんだか遠いんだか、よく分からない組み合わせですw それでも、僕としては、色々と考え・感じた中で、面白い未来がありそうと感じて、この決断を下しました。

ぜひ、クリエイティブのお仕事をしている方や、そういう会社を経営している方は読んでみてください。こんな道もあるんだな〜くらいには参考になるはずです。

<M&Aに至った経緯や実際のところ>

最初のきっかけは、仲介の会社の方から連絡をいただいたことから。「クライアント企業から資本提携の初期的な依頼があった」という内容でしたが、この手の連絡って結構定期的にあるんですよね。で、時間がある時はちょこちょこ聞いてみたりはしていたので、この時も、全く考えてないけど、聞くだけでいいなら、、、という感じで、初回のオンライン面談をしました。このときに打診のあった会社は、スピックさんではなく別の会社さん。映像やグラフィックの制作系ではなく、少し違う業界だったので、もしかしたら面白いシナジーがあるかも??と思って、話を進めてみることに。

その後、仲介の方が概要書を作ってくれた際に、『他にも映像などの制作会社を探している会社があるので、打診を受けてみませんか?』と、リストをいただきました。そもそも、そんなにM&Aする気がないわけなのでw、いただいたリストを見て、ほ〜こんな会社もあるのか〜と、社会科見学気分で見ていたわけですが、まあ、気になった会社の方とは一度会ってみましょうか、ということで、いくつかの会社さんとトップ面談をしました。その中の一社が、スピックさんだった、というわけです。

スピックさんの第一印象は、歴史のある、しっかりした日本企業だな〜という感じ。正直、最初はbirdとの接点がすぐには想像できていなかったんですが、印刷という業態の面白さと、90年を超える社歴のある会社ということで、案外そういう組み合わせも面白いのか?くらいの気持ちでお会いしました。

当時のサイト。ここからどう変わったかは、後半で!

ちなみに、他にも業種も規模もさまざまな会社さんとお会いしましたが、条件やタイミングが合わず、というところもありました。僕もこの頃には、M&Aをちょっとやってみてもいいかもな、くらいに思い始めていたのですが、条件としては「今のbird」のブランドや、僕らがやりたいこと、メンバーの働く環境が尊重されること、というのを第一に置いていたので、ここが合わないところは、どんな条件でも受けるつもりはありませんでした。

そんな中で、スピックさんは社長の佐中さんと年齢が近いことや、執行役員の皆様の物腰の柔らかさと丁寧さ、そしてbirdのことを高く評価いただけて、グループインしても今のままぜひ続けてやってほしい、と言ってくださったこともあり、また、考えているうちに印刷と不動産という事業にもシナジーがありそうと思い始めて、これはスピックさんとの提携が良いのでは、と思うようになってきました。
その後、先方のオフィスを見学させていただいたところ、執行役員の筒井さんが、本当に印刷が好きなんだな〜と感じる場面があり、その姿勢がクリエイティブが好きなbirdのメンバーと重なりました。業種は違っても、根っこのところは似ているな、と。それらを総合して、役員とも話をして、その時点でスピックさん一本に絞って、進めていくことに。一方のスピックさん側でも、birdを気に入ってくださっていて、そこで双方の合意が取れた感じです。

その後は、色々と骨の折れる手続き(いわゆるデューデリなど)を、弊社のバックオフィスの二人と、スピックさんの担当の方がやってくださり(僕も案件の合間に動きつつ、、)、なんだかんだありつつも、無事調印に至りました。調印までは、社員にもM&Aのことは言えないので(役員や弁護士さんなどの一部の人を除いて言えないので、家族にも言えない。僕の場合は、妻も役員なので、家でも話をしてましたが、、。)、最後の最後に社員のみんなにもこのことを発表。なぜこのタイミングでM&Aをするのかなどを説明したんですが、これが一番緊張しましたw みんなからしたら寝耳に水なわけで、それは不安だろうな〜と思っていたんですが、驚きながらも、それぞれに受け止めてくれて(個々人で色々と思うことはあったと思います)、提携に進んでいくことができました。

自分で作った会社のオーナーではなくなったわけなんで、いざ手続きが完了した最終日は、なんか寂しい気持ちとかあるかなと思ったけど、ワクワクの方が大きくて、そんなに感慨はなかったですね。ちょっと肩の荷が下りたかな、という気持ちは少しありましたが、妻からは、M&A以降の方が仕事の時に優しい、と言われたのでw、まあやっぱり変化はあったんだな〜という気持ちです。

<なんで、今だったのか?>

経緯はわかるけど、業績が好調なのに、なんで今、M&Aに結局踏み切ったのか?というのは気になるところだと思います。まず、birdの仕事は、ほぼ全てが請負です。なので、事業の安定や、AIを含めた業界の変化、会社としての成長を考えると、請負主体からの脱却は絶対にすべきだと常々思っていました。ただ、本当にありがたいことに常にリソースがいっぱいいっぱいの状況のまま、会社を拡大してきたのが、この10年だったわけで、その現状を打破するのは、まず僕らだけでは、なかなか難しいという思いがありました。それに、birdはやっぱりクリエイティブの会社で、作ることに興味がある、ある意味職人っぽい人が多いので、新しい事業の創出に興味があるメンバーは、実際そんなに多くありません。そんな中でM&Aという選択肢ができて、提携によって、事業づくりに一緒に取り組む仲間が新たにできれば、この現状を打破し、新しい挑戦ができる。だからこそ、これは本業の調子が良い今やるべきだと考えました。晴れているうちに、傘を用意しておく、というやつですね。
まあそれと、僕自身が挑戦好きなので、新しい会社と新しいことをする、というのが単純にワクワクしたという側面もあります!10年の区切りの、新しい挑戦っていうのは、やっぱりそういう性分からすれば、避けられないし、birdのような会社が、全く違うタイプの会社と一緒になって、新しいストーリーを紡いでいく、っていうのはすごく僕好みのパンチのある決断だなと思った次第です。

あ、あともう一つ。ブランディングをbirdの事業の柱にしていくというのは前から考えていたことでして。そのためにも、伝統ある会社の中に実際に入って、外様ではなく、中からリブランディングをして、さらに事業を作り、ブランドを立ち上げていくという経験をできるのは、とても大きいなと。こうした様々な考えがあって、今しかない!!と思うに至ったわけです。

<ぶっちゃけ、シナジーってあるの?問題>

こんな経緯で一緒になった二社ですが、実際のところ性格の違う二社なので、うまくいくかな、、、というのは僕も、多分周囲も、気になっていた部分でしたw 例えば同じような会社同士の提携なら、やることはある意味明確だったりするわけですが、そういうことでもなかったし。
そんな中で、僕がスピックさんと一緒にやろうという時に考えたのは、この二社の得意なところは真逆だからいいな、ということです。birdはまだ10年そこそこの会社で、僕自身がとにかく挑戦好きということもあり、常に攻めの姿勢の会社です。一方でスピックさんは90年以上続いている会社なだけに、会社として堅牢。ちょっとやそっとじゃびくともしない、守りに長けた会社です。
長所の裏返しは短所ということで、birdは会社としての制度などは突貫で作ってきているし、先ほど書いた通り請負ゆえの不安定さもある。一方でスピックさんも、印刷は市場としては縮小している中で新しいことをしていかないといけないけれど、安定しているが故の難しさもある。だからこそ、タッグを組めれば、お互いの良いところを活かしながら、良い形で成長していけるのではないか、と考えたわけです。

とはいえ、裏を返せば、それだけ方向性の違う会社同士がうまくいかなくなると、壊滅的に接点がなくなってしまう危険性も孕んでいるわけでw そこの不安はもちろんあったんですが、双方の会社の人たちの人柄や、それぞれの静かな情熱、みたいなものが近いなということ、そして僕らもスピックさんも、相手から学ぼうという姿勢があることが、お付き合いしていく中で分かってきて、不安は消えていきました。実際に、今も安心して一緒に取り組めています。根っこが似ている、というのは大事なんだなと改めて思いました。

<グループインしてからと、これから>

実は、グループインしてからこの発表までには、少し時間をいただいていました。というのも、まずスピックさんのリブランディングを一緒にやり遂げてから、お披露目したかったからです。グループインしてからは、業務の融合がしやすいバックオフィスの連携を進めたり、役員会の定例にスピックさんにも入っていただいて、色々なことを擦り合わせたりしつつ、その傍で、ずっとスピックさんのリブランディングを進めてきました。その成果が、10/1に発表したスピックさんの新サイトやロゴ、VMV(ビジョン・ミッション・バリュー)です。

birdのデザイン部門にADの山口さんが入ってくれてから、デザインやブランディングの仕事が増えていますが、今回のサイトやロゴも山口さんを中心としたチームが制作してくれました。VMVの部分は、長く在籍してくれている杉浦くんが手掛けてくれて、全体のまとめや方向作りは僕が担当しています。他にも撮影や制作進行など、birdの多くのメンバーが携わってくれて、手前味噌ですが、とてもいい感じにできたと思っています。

スピックさんの良さは、birdと似ているところと違うところがあって、同じだなと思うのは、「ちょっといい」という提案をお客さんにしていく姿勢。ここはやはりクリエイティブの根幹だと思うのですが、近いものを感じています。あと、柔らかい人が多い、というのも似ているかなと思います。一方で、印刷と不動産、そして創業時からの事業である紙の卸の3本の柱で構成されている点や、営業さんが主体の会社であることなどはbirdとは違っています。なので、birdのサイトよりも柔らかい雰囲気で、ビジネスの部分も感じつつ、でも遊び心は忘れずに、、という感じで仕上げています。birdが入ったことで、これまで以上にクリエイティブにも力を入れていくことになるので、そこも織り込むことは忘れていません。
今後も、採用サイトや映像の制作などが続いていくと思いますが、このリブランディングを軸に、スピックさんが次の100周年、そしてその先に向かってどう変わっていくのかを楽しみにしています。

また、birdもこれを機に、ロゴを新しくしました!

こちらも、山口さんに作っていただき、birdの役員も交えて意見を集約しながら作ったものです。これまでの10年で、当初のbirdの姿とは少し変わってきたところもあり、よりbirdはクリエイティブにおける「作家性」(個人の作家性ではなく、チーム・ブランドとしての作家性)のようなものを出して仕事をしていこうと思っています。その点も踏まえて、ロゴの刷新と、サイトや書体、デザインルールのアップデートも行なっています。
一瞬、もっと大きくアップデートをすることも考えたんですが、今後スピックさんとの取り組みやAIによる環境の変化を通じて大きく変わっていくことを考えると、スピックさんの100周年まであと5年くらいなので、その辺りにまたサイトを含めてアップデートをする機会が来るのではないかと思って、今回はマイナーアップデートにとどめました。

そして、最後にこれからの二社のシナジーのことも。印刷をよりクリエイティブに活かした事業や、ブランディングの事業、それから、studio behind(桜上水にある、弊社の貸しスタジオ)を手始めに、不動産にクリエイティブを掛け合わせた事業など、新しい展望を色々と考えています。それらをひっくるめて、大きなことを言えば、クリエイティブを使って世界をよくしていくような活動(ブランディングや教育の提供なども、その一環だと思っています)に、一丸となって向かっていくことになると思います!スピックバンスターも、birdも、補うところを補いながら、良きところを高め合って、力を合わせて進んでいければな、と。

ということで、ちょっと長くなってしまいましたが、このような経緯や想いがあり、今回のグループインが行われました。
そうだ、、いつもお仕事をご一緒している皆さまが心配されるといけないんで、一言だけ。birdの体制も窓口も、これまでと変わりません。むしろ、色々至らなかった点も強化されていくと思いますので、引き続き、是非是非よろしくお願いいたします!!

あ、M&Aしたとはいえ、僕自身は代表のままで、会社を辞めるつもりもありません。これまで以上に自由になるかもしれませんがw(僕の最も大事な価値観は「自由」なので)、次に大事なものである「挑戦」を、birdでも、スピックさんでも、行なっていければと思っています。

それではこの辺で。
今後とも、両社をどうぞ、よろしくお願いいたします!!!

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