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7 Days Book Cover Challenge Baton by shuntaro

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母よりブックカバーチャレンジバトンをFacebookでもらいました。
ちょっとチェーンメールっぽいのが気になったのですが、本は大好きなのでぜひ紹介したいと思って、
結局7冊を紹介。
今回はせっかくなので、それをブログにまとめてご紹介します!
毎回写真を撮り下ろすのが結構楽しかったです。

1冊目:『VOGUE like a painting』


西洋絵画からインスパイアされた写真を集めた展覧会を記念して出版された写真集です。
とにかくめちゃくちゃ美しい一冊。
絵画と写真の繋がりは深くて、特にファッション写真はその初期から今に至るまで「ピクトリアリズム」の文脈を持ち続けている、そのことがよくわかる一冊です。
僕は絵画の代わりに写真を始めたような人間なので、この本はとても大事な原点を思い出させてくれる一冊です。

2冊目:『Nick Knight』

イギリスの写真家 ニック・ナイトの写真集。大学生の時に、ニックナイトの撮影したヨウジヤマモトやギャルソン、アレキサンダー・マックイーンの写真を見て、写真をやりたい!!って強烈に思ったのを覚えています。
その影響でファッション写真もずっと大好きです(今の流行のような写真というよりは、ピクトリアリズム的なファッション写真ですが)

ニックの凄いところは、とにかく実験的なこと。アニメやCGとの融合、昔の写真のオマージュ、iPhoneでの撮影や動画との融合など、本当に幾つになっても最先端を極めている姿勢に感銘を受けます。そして、この表紙の写真もそうですが、危うい表現をしても、それがダサくならない究極の上品さを持ち合わせていて、あくまで写真は正統派に美しくかっこいいのが本当にすごい、、、!

ニックの代表的な写真集である『Flora』という押し花を撮り続けてる作品も究極にかっこいいので、是非是非見て欲しいです。
ニックは、お父さんが植物学者だったんだっけな?なんというか、学者っぽい人だな、と思います。写真からも。

そういえば留学先をイギリスにしたのも、決めてはやはりニック・ナイトの出身だったから。彼の出身校も受験しましたが、そっちはなぜかグラフィックデザイン学科に受かってしまったので、行きませんでしたがw

3冊目:『Hello! UK Graphics』

2冊目に続いて、イギリス絡みです。大学生の時、大学近くの恵文社で読んですごく衝撃を受けました。BibliothequeやNeville Brody、Abakeなどが特集されていて、そのデザインのカッコよさはもちろんのこと、どこも世界的な仕事をしているのに、すごく小さいチームで仕事していることにめちゃくちゃ驚いたし、すごくカッコ良いと思った。
自分たちに合わないと思った仕事は無理に受けないスタンスや、自由な仕事スタイルはbirdを作る時からずっと、理想の在り方として頭の片隅にあります。
今も活躍しているすごいデザイナーが掲載されているので、今見てもかっこいいし、むしろまたこの頃のクリエイティブの流れを汲んだ潮流が来ている気がします。
おすすめです!!

4冊目:『VANITES』

1994-95年に開催されたファッション写真に関する展覧会の図録(元はフランス国立写真センターの開館記念展)
ファッション写真に関する日本語の本で、最もファッション写真の歴史を網羅している本はこれじゃないかな〜、と僕は思っています。19世紀後半のファッション写真創成期のメイエールやナダールから、いまだに活躍するロヴェルシやニック・ナイトなどの写真家まで、ターニングポイントとなる写真家の作品が一通り見ることができます。
僕は博士課程の研究の最初の頃に読んで、かなり勉強になりました。同時に、博士課程も終わりの頃にもう一度見直した時、あまりのまとめ上手さにびっくりした思い出があります。

特に凄いのは1部と2部の分け方です。1部はスタジオを中心に、外ロケであってもスタジオ同様の静的な写真を中心にまとめていて、2部の方は外でのスナップに端を発する動的なファッション写真の歴史がまとまっています。
この2つの撮影手法は、どちらも今日まで続くファッション写真の2大潮流そのものでして、

スタジオ – ロケ
静的 – 動的
三脚 – スナップ
ピクトリアリズム – ストレートフォトグラフィー

といった二項対立による写真の進化と同調して革新を産んできたファッション写真の面白さを、存分に楽しめる本だと思います。
古本しかありませんが、もし興味がある方は是非、見てみて欲しいです!(中古なら安いですよ〜!)

5冊目:『Nearly Eternal』

日本拠点のアートディレクター、スティーブ・ナカムラと、ロンドン在住のドイツ人フォトグラファー、ノーバート・ショルナーによるコラボレーション作品集。スティーブ・ナカムラは、きゃりーぱみゅぱみゅのジャケットやMVの世界観を作った人としても有名です。他にもラフォーレなど有名な広告を手掛けられていて、とても好きなADさんです。

彼のこの作品、一見変哲のない食べ物写真集に見えるんですが、実は大部分が食品サンプルなんです。この大部分、ってのがミソですね。
サンプルのリアルさを逆手にとって、どこまでがリアルでどこまでが作り物か分からない写真は、どことなく実物でありながら空想の世界のような不思議な空気感を醸し出しています。
この絶妙さを演出する構図やライティングも、流石の一言です。

これは、現実を切り取りながら、そこにあるのはある種のフィクションである「写真」というメディアの本質をうまく捉えていて、自分が最も興味のある「知覚できない本質を知覚する」ということに対して、すごく色々と考えさせてくれます。

そもそもの写真もとても魅力的なので、是非興味のある方はご覧ください!

6冊目:『不思議の国のアリス』

絵本作家のリスベート・ツヴェルガーVer.の不思議の国のアリス。birdと一緒に事務所を構えているデザインオフィス イドの小栗さんに紹介してもらって、一目惚れして手に入れました。
こんなにお洒落で大人びている挿絵の絵本、中々ないですよね。
特に、色使いと構図にものすごく惚れ込んでいまして、彼女の作品を参考にして、僕と妻で撮った写真シリーズが「The extraordinary ordinary」だったりします。

http://bird-and-insect.com/works/4911/

他の絵本も全て素晴らしいので、ぜひお気に入りの作品を探して見ててみください〜!

7冊目:『調理場という戦場』

20歳の頃に出会ってから、自分にとってのバイブルを1冊あげるとしたら、この本しかないくらいに何度も読み返しています。
白金にある「コート ドール」というフレンチのシェフ斉須政雄さんの自伝なんですが、その過程で語られる思想が本当に素晴らしいんです。何というか、、決して器用な語り口ではないのですが、その朴訥とした言葉の一つ一つが体験から語られている重さのある本です。老若男女問わず、ぜひみんなに読んで欲しいです。フレンチ関係なく、人生のバイブルになりうる本です。

ただ、いろんな人に薦めてきましたが、割と賛否両論の本でもありますw
全くもって飾り気がなく重い言葉は、チャンピオンの拳の重さと言いますか、、とにかくズシンズシンくるので、すごく心がえぐられる本なので、反発したくなる気持ちもわかります。とにかく痛いところにガンガン響く本ですw

それでも、特にクリエイティブ業界を目指す若者にはこの本をぜひ読んで欲しいです。意味のないような事を繰り返す意味とか、特別に見えないことの裏に潜んでる強烈な強さとか、クリエイティブは人と同じ日常を過ごしていながら、全く違うものを見る行為であることなど、学ぶことがたくさんあると思います。
僕もまだまだこの本を読み切れていないと思っているので、また折に触れて読みたいと思っています。

そして、ぜひ本を読んだ方はお金を貯めて、記念すべき日に「コート・ドール」に食事に行って欲しいです。
本当にそれは特別な体験になるはずです。
ああ、これがそうなんだ!っていう感動があります。
僕も初めて読んでから10年後、奥さんとの結婚記念日に初めて訪れてから、お祝いの度に訪れていますが、未だにそのシンプルな料理から発見や驚きがあります。
僕にとっては、他のフレンチとは一線を画すレストランであり、多分ずっと通い続けるんだろうな、と思っています。